「スニーカー転売って、簡単に稼げる副業でしょ?」そんな言葉を耳にしたのは、ちょうど2022年頃のことでした。私も当時、「これならいけるかも!」と飛びつき、さっそくメルカリで売れ筋スニーカーを転売し始めました。最初は驚くほどスムーズに売れ、「転売ってこんなに簡単なんだ」と調子に乗っていたのを覚えています。
ですが、そんな甘い時期も長くは続きませんでした。2023年の春頃から、メルカリに出品しても以前のように売れない日が増えてきたのです。「売れ筋」のはずのスニーカーも在庫として手元に残り、売れたとしても利益率がぐっと下がる…。あの頃の熱狂は一体どこへ行ってしまったのでしょうか?
この記事では、スニーカー転売の実体験をもとに、なぜ売れ行きが悪くなったのか、その理由を深掘りしていきます。転売を始めてみたいと考えている方、すでにスニーカー転売に取り組んでいる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
最初は順調だったスニーカー転売
スニーカー転売を始めた当初、私はその手軽さと利益率の高さに驚きました。「これなら副業として十分やっていける!」と確信し、人気のナイキやアディダスのモデルをメルカリに出品すると、出した瞬間に売れることも珍しくありませんでした。実際、2022年の年末頃には、仕入れて1週間以内にほとんどの商品が売り切れ、月に10万円以上の利益が出ることもありました。
特に注目していたのは、限定モデルや人気コラボ商品です。「抽選で当たったら即利益確定!」という状況で、スニーカー転売はほとんどリスクがないように思えました。仕入れにクレジットカードを使えば、手元に現金がなくても回転させられるし、ポイントも貯まるという「これ以上ない副業」だと思ったのです。
でも、その状況が永遠に続くわけではありませんでした。
2023年春、売れ行きが急ブレーキ
2023年に入ってから、スニーカー転売の状況は一変しました。それまでは「即売れ」だった商品が、1週間経っても売れ残るようになり、値下げをしてもなかなか売れないという状況に陥ったのです。特に春頃から、「これ絶対売れるでしょ!」と思っていた人気モデルでさえ、利益をほとんど出せずに終わるケースが増えてきました。
原因を調べてみると、スニーカーブームそのものが落ち着いてきたことが分かりました。ナイキのエアフォースやジョーダンのような定番モデルでさえ店頭在庫が増え、以前は入手困難だった商品が簡単に買えるようになってしまったのです。市場に溢れる供給量が需要を超えた結果、プレミアム価格で売れる商品が減り、転売市場そのものが縮小していくのを肌で感じました。
物価高と転売市場の影響
スニーカー転売が苦境に立たされたもう一つの理由が、2023年以降の物価高です。日常生活に必要なものの価格が軒並み上昇し、人々の財布の紐が固くなっているのを感じました。「限定スニーカーを買っておしゃれを楽しむ」余裕がなくなり、「今ある靴で十分」と考える消費者が増えているのです。
さらに、円安の影響で海外から輸入されるスニーカーの価格が上がり、以前よりも仕入れコストが高くなってしまいました。例えば、以前は15,000円で手に入った人気モデルが、今では20,000円を超えることも珍しくありません。これでは仕入れても販売価格に利益を乗せられず、薄利多売どころか赤字になってしまうこともあります。
転売のライバル増加で競争激化
そしてもう一つ大きな要因が、スニーカー転売を始める人が増えすぎたこと。スニーカー転売が副業として注目されるにつれ、私と同じように「稼げる」と聞いて始める人が急増しました。その結果、メルカリやラクマといったプラットフォームには似たような商品が溢れ、価格競争が激化。特に、転売初心者が「とにかく売り切りたい」と利益度外視で値下げするため、市場全体の相場が下がる悪循環が起こっています。
以前なら10,000円の利益を見込めたスニーカーが、今では数百円の利益しか出ないこともザラです。「これでは作業量に見合わない」と感じることが増え、モチベーションが大きく下がりました。
スニーカー転売の未来は?
スニーカー転売を続けるべきかどうか、私は正直悩んでいます。市場が厳しい現状では、これまでのように手軽に稼ぐのは難しいでしょう。それでも、転売が完全に終わったわけではありません。希少価値の高い限定モデルや、実用性のあるニューバランスやアディダスの特定のラインはまだ需要があります。ただし、それらを見極める目利き力が必要になってきています。
また、ブームが落ち着いた今こそ「次のスニーカーブーム」を見据えるべきだとも感じています。スニーカー市場はこれまで何度も浮き沈みを繰り返してきました。現在は低迷期ですが、数年後に新たなブームが来る可能性は十分あります。そうなれば、今眠っている在庫が再び日の目を見る日が来るかもしれません。
まとめ:スニーカー転売の教訓
スニーカー転売は一時的に稼げるビジネスでしたが、ブームの終焉や市場の変化により、状況は大きく変わりました。この経験を通じて学んだのは、「副業は常に変化する」ということです。一つの方法に固執せず、柔軟に次のチャンスを模索することが大切だと感じました。
スニーカー転売を始めたいと考えている方には、現状をしっかりリサーチし、市場動向を見極めながら慎重に進めることをおすすめします。そして、転売に限らず、副業は長期的な視点で考えることが成功のカギです。今回の私の体験談が、皆さんの参考になれば幸いです。
コメント